Copyright 2016 株式会社 産業医かつき虎ノ門事務所 all rights reserved.

安全衛生委員会

労働安全衛生法に基づき、安全衛生管理体制を確実なものにするため、安全委員会(衛生委員会、安全衛生委員会)を毎月1回以上開催すること(安衛則第23条第1項)が義務づけられています。委員会の議事は3年間保管しなければならず(安衛則第23条第4項)、委員会の議事概要を労働者に周知しなければいけません(安衛則第23条第3項)。また、委員の半数以上は、労働者側の代表が構成することになっています(安衛法第17条第4項安衛法18条第4項安衛法第19条第4項)。

*「安全委員会」 一定の要件(事業場の規模、業務の区分)によって、設置が義務付けられています(安衛法第17条第1項)。

*「衛生委員会」 常時使用する労働者が50人以上の全業種の事業場で設置が義務づけられています(安衛法第18条第1項)。

*「安全衛生委員会」 安全委員会および衛生委員会の両方を設けなければならないときに、それぞれの委員会の設置に代えて、安全衛生委員会を設置することができます(安衛法第19条第1項)。

 

​あ

​え

安全衛生教育

労災を防ぐために、労働安全衛生法では、労働者に対する一定の安全衛生教育を次のように義務づけています。

1.雇い入れ時(安衛法第59条第1項

2.作業変更時(安衛法第59条第2項

3.職務教育(安衛法第60条

4.免許、技能講習(安衛法第60条第1項安衛令第20条

5.特別教育(安衛法第59条第3項

6.安全衛生教育(安衛法第60条の2

7.能力向上(安衛法第19条の2

8.健康教育(安衛法第69条

9.労働災害防止業務従事者(安衛法第99条の2

衛生委員会の運営

衛生委員会は、50人以上の労働者がいる事業所では、全業種において毎月1回以上開催しなければなりません(安衛則第23条第1項

調査審議する内容は、「労働者の健康障害防止対策」、「労働者の健康保持増進対策」、「労働災害の原因および再発防止対策」(安衛法第18条第1項)で、安衛則第22条に重要事項が規定されています。

・衛生に関する規定の作成

・危険性又は有害性等の調査およびその結果に基づく措置

・衛生に関する計画

・衛生教育

・新規化学物質等の有害性の調査および対策

・作業環境測定の結果およびその対策

・健康診断の結果およびその対策

・労働者の健康の保持増進に関する計画

・長時間労働者の健康障害の防止

・労働者の精神的健康の保持増進

 

健康診断

労働者の健康状態を把握し、適切な健康管理を行うため、労働安全衛生法では事業者に対して健康診断の実施を義務づけています(安衛法第66条)。

健康診断には、「一般健康診断」と「特殊健康診断」の2種類があります。

*一般健康診断

・雇い入れ時健康診断(安衛則第43条

・定期健康診断(安衛則第44条

・特定業務従事者の健康診断(安衛則第45条

・海外派遣労働者に対する健康診断(安衛則第45条の2

・給食従事者の検便(安衛則第47条

*特殊健診(有機則第29条、鉛則第53条、四アルキル鉛則第22条、特化則第39条、高圧則第38条、電離則第38条、除染則第20条、石綿則第40条)

*じん肺健診(じん肺法第3条、第7ー10条)

*歯科医師による健診(安衛則第48条

*心理的な負担の程度を把握するための検査(ストレスチェック)(安衛法第66条の10

 

健康診断実施後に

行うべきこと

健康診断を実施した後の取組事項についても、規定があります。

1.健康診断の結果の記録(安衛法第66条の3

2.健康診断の結果についての医師等からの意見聴取(安衛法第66条の4

3.健康診断実施後の措置(安衛法第66条の5

4.健康診断の結果の労働者への通知(安衛法第66条の6

5.健康診断の結果に基づく保健指導(安衛法第66条の7

6.健康診断の結果の所轄労働基準監督署長への報告(安衛法第100条

産業医

事業場において、労働者の健康管理を行う医師です。

常時50人以上の労働者がいる事業場では、産業医を選任する義務があります。3,000人を超える事業場では、2人以上の産業医を選任しなければなりません。また、産業医を選任すべき事由が発生した日から14日以内に労働基準監督署長に提出しなければなりません。(安衛法第13条

また、労働者数が1.000人以上の事業場、一定の有害業務を扱う労働者数が500人以上いる事業場では、専属の産業医を専任しなければなりません。(安衛則第14条第2項

産業医は、労働者の健康管理を行うのに必要な知識を備えている者(一定資格を有する者)の中から選任しなければなりません。(安衛法第13条の2

産業医の選任が必要な事業場が選任をしていない場合、また選任したものの産業医としての業務を完全に行わせなかった場合は、事業者に罰則が課せられます。

 

産業医の職務

産業医の職務は、労働者の健康管理ですが、労働安全衛生上で具体的に定められています(安衛則第14条第1項)。

また、事業者は産業医がこれらの職務を行うための権限を与えなければなりません(安衛則第15条第2項)

1.健康診断の実施、および事後措置

2.長時間労働の者の面接指導と事後措置

3.ストレスチェックの実施、面接指導、事後措置

4.作業環境の維持管理と改善

5.作業の管理、毎月1回の作業場等職場巡視(安衛則第15条第1項)

6.その他労働者の健康管理に関すること

7.健康教育、健康相談、健康の保持増進を図るための措置

8.衛生教育 

9.労働者の健康障害の原因調査、再発防止の措置

ストレスチェック

50人以上の労働者がいる事業所において、心理的な負担の程度を把握するための検査が義務づけられました(安衛法第66条の10)。

労働者自身がストレスへの気づき(セルフケア)を行い、メンタルヘルス不調の一次予防を行うことと、ストレスの原因となる職場環境の改善につなげることが目的です。

検査結果については、本人の同意なく事業者に提供することは禁止されています。また、労働者から申し出があった場合、医師による面接指導を実施することが義務づけられています。申し出を理由とする不利益な取り扱いは禁止されています。面接指導の結果に基づき、医師の意見を聴き、必要に応じ就業上の措置を講じることが義務づけられています。

 

ストレスチェックの

内容

1年以内ごとに1回定期に次の事項の検査を行います(安衛則第52条の9)

1.職場における心理的は負担の原因に関する項目

2.心理的は負担による心身の自覚症状に関する項目

3.他の労働者による支援に関する項目

検査の結果、心理的な負担の程度が高く、面接指導が必要であると実施者(医師等)が認めた者に面接指導の通知を行います(安衛則第52条の15)。

面接指導の申し出があった時は、面接指導を概ね1ヶ月以内に行い(安衛則第52条の16)、「勤務の状況」、「心理的な負担の状況」、「心身の状況」を確認します(安衛則第52条の17)。事業者は医師の意見を勘案し、就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮、深夜業の回数の減少等の措置を講じたり、衛生委員会へ報告をしたりします(安衛法第66条の10第6項)

労働安全衛生法

労働安全衛生法は、労働者の安全と健康を管理する法律、労働災害防止と快適な職場環境づくりが主な目的です。

昭和47年に労働基準法から分離独立して作られました。

当時は、労働災害による死傷者数が40万人に達しており、労働安全衛生法施行により劇的に死傷者数は減少しました。

最近では、第2次産業から第3次産業へ中心となる産業が変化し、IT事業等の第4次産業が増加しつつあり、ストレスや疲労蓄積による新たな労働災害が増えています。

労働安全衛生法も、時代の変化に則し法律改正されていますので、今後も労働安全衛生法を軸にした職場の安全衛生管理が重要です。

 

労働衛生管理体制

労働安全衛生法に安全衛生管理体制の制度が明記され、事業主にそれぞれの管理者を専任するよう義務づけています。

労働者数、事業の業種により、安全衛生管理体制が定められています。

選任すべき管理者として、「総括安全衛生管理者(安衛法第10条)」、「安全管理者(安衛法第11条)」、「衛生管理者(安衛法第12条)」、「安全衛生推進者(安衛法第12条の2)」、「衛生推進者(安衛法第12条の2)」、「産業医(安衛法第13条)」、「作業主任者(安衛法第14条)」があります。

労働衛生

コンサルタント

労働安全衛生法第81条第2項に規定されており、労働衛生コンサルタントの名称を用いて、他人の求めに報じ報酬を得て、労働者の衛生の水準の向上を図るため、事業場の衛生についての診断およびこれに基づく指導を行うものです。

労働安全衛生法第83条に基づく労働衛生コンサルタント試験(国家試験)に合格した者で、同法第84条に基づき厚生労働省に備える労働衛生コンサルタント名簿に登録した者をいいます。

労働衛生の3管理

「作業環境管理」、 「作業管理」、 「健康管理」 の3管理が労働衛生の基本。

*「作業環境管理」 作業環境中の有害因子の状態を把握して、できるかぎり良好な状態で管理していくこと。作業環境測定にて診断を行う。

*「作業管理」 有害要因の暴露や、作業負荷を軽減する方法で管理すること。一時的な措置として、保護具がある。

*「健康管理」 労働者個人の健康状態を早期に発見し、その進行や増悪を防止したり、有害要因との関係を調べたりします。

労働衛生の5管理

労働衛生の3管理を有効的に進めるために、さらに「総括管理(労働衛生管理体制)」、「労働衛生教育」が必要になります。

この2管理と3管理(作業環境管理・作業管理・健康管理)を合わせて、労働衛生の5管理といいます。